2008年06月02日

その3 有責主義と破綻主義とは

有責主義から破綻主義への移行

どのようなケースにおいて離婚を認めるべきかという点では、二つの考え方が存在します。

まず、従来から支配的だったのが、有責主義という考えです。

有責主義とは、夫婦のどちらか一方が不貞行為などを行ったり、離婚原因となる事態を引き起こした際に、他方からの離婚請求を認めるという考えです。

「夫婦として非難されるべき行為をして、離婚原因を作ったのだから離婚されても仕方がないだろう」というもので、ある種の制裁的な意味を持っています。

日本でも海外でも、この有責義務を基本としてきましたが、その流れも変わりつつあります。

新たに広がっているのは破綻主義という考えです。

夫婦関係が破綻しているのなら、離婚を認めてもいいのではないかという考え方です。

実際、回復の見込みがないほどに信頼関係が失われていたり、もはや夫婦としての実態をまったく有していないのに、法律上だけで夫婦という枠組みに縛りつける必要はないという考えもあります。


有責配偶者からの離婚請求を認めるべきか・・・

夫婦関係が破綻しているなら、離婚を認めるべきという考えは一見妥当に見ます。

ところが、破綻主義を徹底させると、夫婦関係を破綻させた側(不貞行為をして、愛人の家に入り浸っているなど)から、離婚裁判を起こすことが可能となってきます。

離婚原因を作った側のことを、有責配偶者と呼びますが、愛人を作って不貞を行った有責配偶者が勝手に家を出て、愛人との間に新たに子どもができたので、妻と離婚して愛人と再婚したい、と主張したらどうでしょうか。

このようなケースで、「一緒に住んでいないので、夫婦関係は破綻している」として、離婚を認めてしまったら、有責配偶者ばかりが優遇されているような印象は否めません。

最高裁判所でも以前は、有責配偶者からの離婚請求を認めないという姿勢を取っていました。

とはいえ、有責配偶者だけで考えるのも問題があります。

明確な答えの出ない部分もありますが、従来よりも破綻主義の考えが広がっているいることは確かで、今後もこの風潮は強まっていくと予想されています。

最高裁判所も、近時、一定の要件のもとで、有責配偶者からの離婚請求を認めました。

その4 裁判離婚の流れへ進む



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