2008年05月27日

その9 離婚後300日以内に生まれた子どもは?

離婚前の妊娠は前夫の子になる

我が国の法律(民法772条)によれば、離婚後「300日以内」に生まれた子どもは前夫の子どもと扱われてしまいます。

これがいわゆる「300日規定」と呼ばれるものです。

この規定があることによって、女性は前夫の子どもではないことがわかっていても、「前夫の子」としてしか「出生届」を出すことができませんでした。

そして、実の父親の子どもとして戸籍に記載するには、「親子関係不存在確認の調停」等の裁判所による手続きが必要でした。

民法には、他に、女性は離婚後6ヶ月間は再婚できないという規定があるため、離婚後すぐに他の男性と交際を始め妊娠したような場合に起こる問題です。

この不都合を解決するため、法務省は、離婚後に妊娠したことが医師の証明書で確認できれば、実の父親の子どもとして「出生届」を出すことを認めるという通達を出し、平成19年5月21日から戸籍窓口での受付が開始されました。


今回救済されるのはたった1割の子ども

現在、「離婚後300日以内」に生まれる子どもは、年間3000人程度いますが、その約9割が「離婚前の妊娠」ということですから、さきほどの通達で救済されるのは、たった1割りということになります。

「離婚が成立していないのに、他の男性の子どもを妊娠するのは倫理的に妥当ではない」というのが、今回の救済措置の対象を「離婚後」の妊娠に限定した理由だと思います。

救済措置としては、不十分とは言えるかもしれません。

「法律」「行政」「倫理」が絡み合う問題ですから、今後の動向に注目したいと思います。

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