2008年05月26日
その3 協議離婚でのトラブルをなくす方法は?
● 口約束はトラブルのもと
協議離婚でも、決めたことは必ず書面に残すことが大切です。
「穏やかに話し合いができたから・・・」「約束は守る人だから・・・」など、さまざまな理由で相手を信用できることもあるでしょうが、事情が変われば人も変わります。
書面のタイトルは「合意書」「覚書」「離婚協議書」など、特に決まりはありませんが、夫婦双方が合意していることを示すために、署名・捺印は必要です。
自筆で書いてもらって、実印で捺印をもらい、印鑑証明書をもらえばひとまずは安心です。
さらに、養育費の取り決めをする場合や財産分与、慰謝料などを分割や後日受けとる場合、支払いが滞ったときのことも考えて、公証役場で「強制執行認諾文言付き(約束通りにお金を支払わない場合は強制執行されることを承諾すること)公正証書」を作っておくといいでしょう。
「強制執行認諾文言付き公正証書」があれば、支払いが滞ったとき、裁判をして判決をもらわなくても、直ちに裁判所に強制執行を申立てて、相手の財産、給料を差し押さえることができます。
専門家が直接介入しない協議離婚だからこそ、少しシビアに考えましょう。
【離婚協議書サンプル】
離婚協議書
佐藤道夫(以下、甲という)と、佐藤妻子(以下、乙という)は、本日下記の通り、合意した。
第1条 甲と乙は、本日離婚することに合意した。
第2条 甲と乙は、両名の間の長男○○の親権者を乙と定める。
第3条 甲は、乙に対し、離婚届出用紙に所要の記載をして
証明押印をして、これを交付し、乙はこれを受領した。
第4条 乙は、前条の離婚届を完成させ、平成○年○月○日限り、
△市役所にて届出をなす。
第5条 甲は、乙に対し、長男○○の養育費として、平成○年○月
から、長男○○が満20歳に達する日の属する月まで、
1人につき1か月金4万円を、毎月末日限り、長男○○名
義の△信用金庫△支店普通口座1230123宛振込送金
の方法(振込手数料は控除しない)により支払う。
第6条 甲は、乙に対し、財産分与として金150万円を分与する
こととし、本日乙にこれを支払い、乙はこれを受領した。
第7条 甲は、乙に対し、慰謝料として金200万円の支払義務が
あることを認め、本日乙にこれを支払い、乙はこれを
受領した。
第8条 甲と乙は、両者の間には、本協議書に記載のあるほか
には、何らの債権債務も存在しないことを相互に確認
する。住所 東京都新宿区○○ 1-2-34
甲 佐藤 道夫 印住所 東京都新宿区○○ 1-2-34
乙 佐藤 妻子 印
以上はあくまでもサンプルです。
夫婦それぞれ事情が違ってきますので、書き方もそれぞれ違いが出てきます。
ケース別の書き方や注意点などは離婚協議書の書き方の方で解説しておりますので、そちらをご覧ください。
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